愛犬との別れ、「幸せだったかい」

  愛犬「福ちゃん」が死にました。長い間一緒にいて、本当に大事な家族でした。私たち夫婦の家庭生活は、新聞の政治のことや選挙活動の話しばかりで、せめて癒しは福ちゃんのことでした。今日は何食べた、啼き声が近所に迷惑掛けてないか、犬の病院の先生が優しいの、猫より犬の方が飼いやすいか、など実に他愛ない。環境大臣になると、「俺は動物愛護の責任者だ」が加わりました。
  正確には分かりませんが、13、4才のかなりの老齢で、この1、2年はめっきり弱ってきた。歩きもゆっくり、食事も細くなり、啼き声も小さくなった。そして2ヶ月前だか後足を痛めて立てなくなった。そのまま、いわゆる寝たきりに。妻は、しかし真剣に養生していました。寝たままの犬にスプーンで食べさせ、工夫して水も飲ませる。朝夕はパンパースも取り替えていた。私も2、3回は手伝ったが、とても面倒くさい。地方選挙が激しくなると妻は一段と出ごとが多くなる。一方、私は「余り無理するなよ」と言い置いて、上京するばかりでした。
     「そうか、仕方ないな。でも福ちゃんも君のお陰で、幸せだったのではないか」。会議中、掛かってきた妻からの電話に、私は短く答えました。電話の向こうの妻は泣いていました。
  今、私は敢えて問い掛ける、「おい、福ちゃんよ、お前は俺の家に来て、本当に幸せだったかい」